事業型NPOと株式会社のソーシャルビジネス(NPO未来ラボ・Oka-Biz秋元氏)
こんにちは。ハマダです。
今回は、前回と同様僕が加入しているNPO未来ラボというオンラインサロンで行われていたNPO法人G-net創業者/OKa-Bizセンター長 秋元氏と認定NPO法人DxP理事長 今井氏による対談の内容を発信していこうと思います。何回かに分けて発信していこうと思いますので、ご覧いただければ幸いです。
■前回の記事
今回、取り上げるテーマは「事業型NPOと株式会社」です。
対談の模様(前回と写真は同じ....)
■株式会社とNPO法人の違いとは?
そもそも、大前提として株式会社とNPO法人の違いは何かと言うと、最終的なゴール地点です。株式会社の最終的なゴールは、あくまで「利益の最大化」であり、NPO法人の最終的なゴールは、「ミッションの追求 / 社会課題の解決」です。
株式会社 / NPO法人両者に通じることとしては、事業を通じて利益を出すことができるということです。違いとしてあるのが、「利害関係者で配分をする」と「次の事業の投資として使う」ということです。
株式会社は株式を発行して資金を集め、利益に応じて配当ができますが、NPO法人においては「利益の再分配」を行うことはできません。
NPO法人は、利益を次の事業に対する投資として使うことができます。「非営利法人」と言いつつも、「利益をあげてはいけない」ということではありません。
■事業型NPOとは?
事業型NPOというのは、「寄付」ではなく「事業収入」で収益をあげるのがメインのNPOのことです。NPO法人フローレンス、NPO法人G-net、NPO法人ETIC. 等が事業型NPOとして挙げられます。「社会課題解決」「社会的インパクト」を目的としつつ、そのための事業を行う上で、「収益」が必要であるという考えです。
■ソーシャルビジネスを行う株式会社とは?
ソーシャルビジネスは、ここでは、社会貢献を目的とした事業を行っている株式会社と定義します。LITALICO、ゼネラルパートナーズ、株式会社いろどり等が、ソーシャルビジネスを行っている株式会社です。あくまで、「収益」をあげることを重視しつつも、事業による「社会課題解決」「社会的インパクト」を狙っています。
■事業型NPOと株式会社のソーシャルビジネスは何が違うのか?
結論と言うと、「事業型NPO」と「株式会社のソーシャルビジネス」の2つには、大きな差はありません。昨今、NPO法人と株式会社の区別がますます無くなってきております。「NPOっぽい株式会社」もあれば、「株式会社っぽいNPO」もあるのです。NPOだから、株式会社だからという理由で白黒つけるのは、今の時代とはミスマッチなのかもしれません。
また、株式会社と非営利組織の二刀流を行う組織もあったりします。一般社団法人リディラバは、株式会社Ridiloverという株式会社も同時に運営している非営利組織です。事業内容としては、社会問題の現場に行き、当事者から話を聞くスタディーツアーを実施しています。
Oka-Bizの秋元氏は、民間企業の方と向き合っていく中で、「NPOは特別視されている」ということを感じたそうです。株式会社だからといって、「利益が全て!」ではなく、「志」を持った経営者がいらっしゃいます。だからこそ、NPO法人だけが「凄い」「良いことをしている」というオーラを纏うのは少し違うのでは?と疑問を持たれたそうです。
企業の方と話をしていく中で、「ソーシャルビジネス」という言葉を使っていないだけで、掘り下げていくと「それってソーシャルビジネスやん!」っていうことは往々にしてあると思っています。つまり、NPOと株式会社というのを、きれいに分けて考える必要はないということです。
■NPO法人で起業することのメリット
1 行政や企業など多くの方の連携や支援を得やすいため
NPO法人は「利益の最大化」ではなく「ミッションの実現」をゴールにしているからこそ、公益性のために力を貸してもらいやすいということがあります。秋元氏が言うには「元気玉を集めやすい。ドラゴンボールの孫悟空も地球を守るために、戦っているからこそ、みんなが力を貸してくれる。NPOをそれと同じである。」とのことです。
2 単独で採算が採れない事業を行う際に、寄付などが得やすいため
NPO法人特有のこととして言えるのは、「寄付」という資金調達手段が使えることです。公共性は高いけど、「収益をあげること」は難しいという事業の場合支援者を集めて「寄付」を得れることができます。
■NPO法人の経営者として大切なこと
1 「ミッションの実現」と同じくらい「儲かるかどうか」という軸で判断すること。
NPO法人はあくまで「社会課題解決」「社会的インパクト」のために事業を行っていますが、事業を継続的な形で行うためには、「収入」に対して向き合う必要があります。それは、「ミッションの実現」と同じくらい重要な話であります。
2 利益を「どこに再投資するのか?」ということを考えること。
NPO法人は、「利益」を支援者やスタッフに対して再分配することができません。また、溜め込んでおくだけというのも不健全です。だからこそ、出た利益をどこに再投資するのか?が経営判断の中で、面白さがあると言っていました。
「ミッションの実現」のために新しい切り口の事業を行うのか?それとも、既存の事業を強化するのか?ということを踏まえ、利益を再投資するのが、NPO法人です。
3 ファイナンス / コンプライアンスなどの透明性を図ること。
NPOが、税制上の優遇措置をたくさん受けることができます。それ故に、組織の財務状況をしっかりと公開すること。また、コンプライアンスを遵守するなどして、組織の透明性を担保する必要があります。認定NPO法人DxPでは、毎年の活動報告書をweb上に掲載されています。寄付型事業を行うNPO法人だけあって、非常に丁寧に情報公開をされていると感じました。
■まとめ
事業型のNPO法人と株式会社が行うソーシャルビジネスは、正直、区別ができません。重要なのは、「NPOだから」「株式会社だから」と白黒つけるのではないということです。これから事業をしていこう / 自分で立ち上げようと考える中で、思ったのはあらゆるステークホルダーの人たちから、協力や支援を得やすいNPO法人というのは非常に魅力的であると思いました。
以上になります。
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